改良されたネイティブチェック
もう一つは、その地形に″水″がうまくからんでいるかどうかです。
″水″については、あとでくわしく触れることにして、ここでは一つめの条件について考えていきましょう。
たとえば、ある風水師が龍脈をさぐり″穴″を探しあてたとしましょう。
しかし、その場所が山の頂上付近だったり、吹きさらしの場所だったりすると、残念ながら家令墓を建てるのには不適切です。
″穴″にあふれ出ているはずの″気″が、風で散ってしまうからです。
ですから、家や墓を建てるためには、ただ″穴″を探せばいいのではなく、まわりの地形に注意する必要があります。
″気のいい場″というのは、周囲の地形が。
穴″を守るような地形になっていなければならないのです。
たとえば、″穴″のある山の両側に尾根が回り込んでいれば″穴″はうまく保護されて、大地の気も飛び散ることがありません。
このように、″穴″を守るような地形のことを、風水のことばで″砂″と呼びます。
″穴″の両側に尾根が回り込んでいれば、この二つのそれぞれが″砂″になるわけです。
もちろん、″砂″となる山の形、高さ、向きなどによって、意味や効果が異なってきます。
いずれにしても、″砂″があることは、点穴の必須条件となります。
″砂″がなくて″穴”がむきだしの状態では、がりに″穴″がよいものであっても、気がどんどん流れ去ってしまうので、大地のエネルギーを手に入れることはできません。
こういう場所に墓をつくっても、運はよくなりません。
風水では、むしろ凶相の一つに数えられているほどです。
ここで、一章で紹介した豊臣秀吉の墓を思い出してください。
秀吉の墓は、そもそも″穴″の上には乗っていなかったのですが、何よりもその墓は、阿弥陀ヶ峰の頂上という吹きさらしの場所にありました。
たしかに景色はいいのですが、これでは気をたもつことができないのも道理です。
もう一つ、やはり″砂″のない地点に建てられている建物の例として、岐阜城があげられます。
たしかに、岐阜城はひじょうに勢いのよい龍脈の上に建てられています。
しかし、この山の周辺には″砂″となるものがまったくありません。
これでは、四方八方から、強い風をまともに受けてしまいます。
そのためか、岐阜城の主たちは、みなはなばなしく登場したかと思うと、ほどなく不幸な最期を遂げています。
油売りからのしあがったものの、義子に殺された斎藤道三しかり。
道三を討った五年後に原因不明の病死をした斎藤義龍しかり。
そして、天下統一をしたものの、本能寺で明智光秀に殺された織田信長。
これだけ″証拠″がそろっていることから見ても、やはり城の場所が悪いのだと考えざるをえません。
ここからもわかるように、風水師が点穴するときは、″穴″自体のよしあしを見ることはもちろんですが、ちゃんとした″砂″があるかどうかを確認することがひじょうに重要な作業になるのです。
ぶひから出た気を守ってくれる地形が″砂″のたいせつさは、十分におわかりになったことと思います。
それでは、その″砂″についてもうすこしくわしく説明していきましょう。
まず″砂″の種類です。
たとえば、あなたが″穴″の地点に立ち、龍脈の流れを背に受ける方向に向いたとします。
つまり、龍脈を川にたとえれば、川上を背にしたとします。
そのときに、左手にある″砂″を「青龍砂」、右手を「白虎砂」と呼びます。
東西南北の方向には関係ありません。
また、正面に″砂″があれば、それを「案山」と呼びます。
「案山」がいくつもあるときは、″穴″のすぐ前の山を「案山」、「案山」後方にそびえる山を「朝山」と呼び分けます。
これらの″砂″の組み合わせによって、いろいろな形があります。
もちろん、″砂″が″穴″をうまく囲んで風があまり吹き込まないような形になっていれば、″穴″の気が散ら来之去水″穴″を中心とし、左右に″砂″がはいっており、その前には川が流れている。
“龍”“穴”“砂”“水”の4拍子そろった理想的な地形といえるわけです。
たとえば、青龍砂と白虎砂と案山が″穴″を包み込むように囲んでいれば、″穴″はしっかりと守られます。
さらに、案山の高さが、″穴″の地点に対して高すぎず低すぎず、ちょうどよい高さになっているのが望ましい形です。
しかし、こんな理想的な″砂″に出会うことはめったにありません。
どれかの″砂″が欠けていたり、不完全だったりするのがふつうです。
それでも、″砂″の役割を十分に果たす場合はいくらでもあります。
周囲の山々が″砂″の役割を果たすかどうか、我われ風水師はいくつかのポイントに注目して観察します。
では、我われ風水師が、どういう点に注目するのか、いくつかの例をあげてみましょう。
まず、青龍砂と白虎砂がそろっているかいないかを見ます。
どちらもなくて、案山だけということもあります。
つぎに、それぞれの″砂″が、″穴″を囲むようになっているか、″穴″に対して反対側を向くようになっているかをたしかめます。
案山については、高低が重要になります。
″砂”が案山だけの場合は、後方に朝山がないかどうかを見ます。
さらに、その朝山がくっきりと姿を見せているのか、それとも案山の後ろからほんのすこし顔を出しているのかという区別も必要です。
もちろん、″砂″となる山の形も問題となります。
″穴″に面した斜面がむきだしになっていないか、山肌がめくれ上がっていないか、深い谷がないかという点も見ていかなくてはなりません。
ここにあげたのは、ほんの一例にすぎません。
それでも、このような条件を組み合わせていくと、″砂″の形はいくつかに分類できることがわかるでしょう。
それを見て、風水師は″砂″のよしあしを判断するのです。
一見めんどうくさそうに見えますが、基本的な考え方は一つです。
″穴″をうまく守っているかどうか、これがすべてです。
徳川家康の最初の墓があった静岡県の久能山・東照宮には、じつに理想的な″砂″が見られます。
龍脈の本流から分かれた支流が、まるで龍の手足のように、本流と並行して伸びています。
この「龍の手足」が″砂″となって、″穴″の上に建てられた家康の墓を包み込むように守っているのです。
また、のちに家康が改葬された日光・東照宮の″砂″も、すばらしい状態といえます。
青龍砂と白虎砂にあたる山裾が、ここでも″穴″を取り囲むようにして守っています。
″砂″だけを見ても、家康は風水の力をよく知り尽くしていたのだということが、よくわかります。
京都の歴史的繁栄も風水のなせるわざ一九九四年という年は、桓武天皇が七九四年に平安京遷都をしてから千二百周年にあたる記念すべき年です。
京都の町は千二百年以上もの長い年月にわたって、栄えつづけてきだことになります。
大昔から都として栄え、いまでも多くの人でにぎわっている町は、世界広しといえども数えるほどしかありません。
京都が栄えつづけてきた秘密は何なのでしょう。
じつは、これにも、風水が大きく関係しています。
平安京が、当時の中国の唐の都・長安を模してつくられたことはよく知られています。
しかし、町の構造や碁盤目状の道路といった表面的なことだけをまねたわけではありません。
都とする土地を選ぶときに、風水の考えを取り入れたという点も共通しているのです。
とはいえ、都市づくりに風水思想を取り入れることは、すでに平城京(奈良)にも見られます。
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